札幌から70kmしか離れていない泊原子力発電所 旭川ラボラトリー
旭川や北海道の政治・経済・文化などについて綴っていきたいと思います。
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札幌から70kmしか離れていない泊原子力発電所
大変残念なことではありますが、今回の地震は想定を超える大変な被害が出てしまいました。
震災で亡くなられた方には心よりご冥福を申し上げます。
震災はまだ終わっていません。福島第一原発の問題が依然として続いています。
民放各局の報道を見る限り、原発は既に沈静化したかのような印象を受けますが、新聞などの細かい情報を拾っていくと、事態はまだ予断を許さない状況にあることがわかります。今後の展開によっては、関東がさらに大きな被害を受けるという可能性も依然残されたままとなっています。
今回は、北海道をとりまく原子力発電所の存在について、ちょっと考えてみたいと思います。
北海道で原発というと、言うまでもなく泊原子力発電所があげられるかと思いますが、
この泊発電所が、人口の多い札幌圏に近すぎるのです。本当になぜあんなところに原発を造ってしまったのでしょうか。もうちょっと他に場所があったのではないかと思います。
札幌と泊原子力発電所は、わずか70km程度しか離れていません。しかも、偏西風の影響を受けやすいといわれる原発の西側に札幌は位置しています。今回の震災では、アメリカ軍は半径80km以内を避難させるべきとしましたし、100km以内から退避させるべきと報道した外国のメディアもありました。実際に福島では40kmから70km離れている地点でも高濃度の放射線物質が観測されていますので、このアメリカ軍が定めた距離というのは、健康を守るという上で大変正確な数字であったといえると思います。
ではもし、泊原発で今回の震災と同様の規模の事故が発生した場合、
北海道にどのような影響が出てしまうのでしょうか。
もし米軍基準での避難指示が出された場合、原発から70km離れた札幌は避難の対象となってしまいます。もしそうなった場合は、北海道が大混乱に陥ってしまうことが容易に想像がつきます。札幌から避難してきた人々を収容するような場所も北海道にはありませんので、季節がもし真冬であった場合、悲惨なことになってしまいます。
泊原発だけではありません。北海道はこの他にも注意しなくてはならない原子力発電所があるのです。
それが青森県の下北半島にある東通(ひがしどおり)原発と、建設中の大間原発です。
まず東通原発です。
東通原発は下北半島の中部東側海岸、むつ市の隣に位置していますが、
北海道から大変距離が近く、原発から200km圏内に札幌・小樽・千歳・苫小牧がすっぽりと収まってしまいます。函館ですと、原発からの距離がわずか70km程しかありません。
近年、東京で静岡県の御前崎にある浜岡原発の存在が不安視されていますが、
この浜岡原発と東京との距離が約200㎞です。実は東通原発と札幌との距離がほぼ同じなのです。北海道にとっては、青森県の原発の存在を意識した対策というのも重要になってくると思います。放射性物質に都道府県は関係ないのです。原発からの距離が大きな問題となるのです。
そして更に困った問題があります。それが、下北半島先端で建設中の大間原発です。
ここは函館市から約30kmしか離れていません。福島第一原発と同様の規模の事故が発生した場合、函館市は全市避難になってしまう可能性が高いでしょう。もし何か事故が発生した場合、今回の福島と同様に、函館の海産物も大きな被害を受けてしまうような事態に陥ることが、容易に想像がつきます。
北海道は、泊原発が全てではないのです。これら青森の二つの原発(一つは建設中)も考えなくてはいけません。
青森にある原発は北海道民にとって盲点といえるもので、今後注意深く見守っていかなければならないでしょう。
災害が無く、原発からも距離のある旭川ではありますが、「旭川は地震が無いから安心だ、津波も関係ないから寝ててもいい」などと言ってはいられません。原発に何かあれば農業・観光は直ちに風評被害を受けることになるでしょう。物流も大ダメージです。物流の拠点である苫小牧が被害を受けた場合は、旭川への物流も止まってしまうことになるでしょう。苫小牧の上にある樽前山も活発な活動を続けています。もし苫小牧がだめになったときにはどうするか。留萌港からの輸送に頼るのか、紋別港に頼るのか。はたまた十勝港か。地域間の連携なども考えておく必要があるでしょう。
そして真冬に災害が起こったときのことも考えておくべきです。
北海道であれば、たった1日で凍死してしまうということも十分に有り得ることだと思います。
私は原発反対派ではありません。ただ万が一のこともありうるということで、
震災の経験を直ちに防災体制に反映させていくことが重要ではないかと思います。
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(5/17一部訂正)
距離を一部訂正します。
泊原発 ~札幌市 80km→70kmに訂正
大間原発~函館市 20km→30kmに訂正
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[ 2011/03/26 18:27 ]
北海道
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TB(0)
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CM(8)
ザックさん、はじめまして
管理人のascapitと申します。
そのお考え、ごもっともだと思います。
ただ現状では、国連を中心とした国際的な枠組で,攻撃国に対する抑止力を高めるくらいしか方法がないのかもしれません。
[ 2011/07/02 01:22 ] [
編集
]
失礼いたします
北朝鮮のような国から原発を狙ってのミサイル攻撃を受けたら、
単純なミサイルでも原爆規模になるのではないか!
泊発電所が原子力爆発だぞ!
誰でもどうなるか考えたら分かるべ!
何万年も消えない後遺症!
世界に原発、なんぼあるって事よ!
事故が起こってから人間がコントロールできない発電ってのは要らねぇーよ!!
私個人の考えにて失礼致しました。
[ 2011/06/30 12:15 ] [
編集
]
ダーナさん、こんばんは
遅くなりました。リンク先の資料拝見いたしました。
元原発作業員の方の話ですから重みがありますね。
日本はちょっと原発が多すぎるのかもしれません。
[ 2011/04/23 00:46 ] [
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]
ぷてらのどんさん、こんばんは
コメント有難うございます。
おっしゃるとおり、今回の事故で原発の危険性が誰の目にも明らかな状態となってしまいましたね。
個人的には、海底に眠っているメタンハイドレードをなんとか活用してほしいと思っているのですが、まだちょっと先になってしまうのかもしれません。これが実用化できるように、エネルギー政策にもっと力をいれて欲しいものですが…。
[ 2011/04/23 00:43 ] [
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]
原発は止めるしかない
こんにちは。
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
原発の現状を知りぬいた方が遺した文章です。泊原発の隣村でのできごとも書かれています。
ぜひ多くの方に読んでいただきたい。
原発をやめる勇気を持つ国に、国に原発をやめさせられる国民に、変わらなければなりません。
[ 2011/04/17 22:03 ] [
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]
原発はやめるべき
福島の原発事故には、非常に関心をもって見ています。以前は、何もわかってはいませんでした。今回の件で、多少勉強しましたがやはり原発は、廃絶すべきものです。絶対安心なんてありません。安全安心と言っていた東電ですら今回の津波は想定外と言う始末です。
泊1号機、2号機、3号機のいずれかが、爆発をすれば、結局、全部手が付けられない状況になると思います。原発は一旦動き始めたら止められないし、1号機が爆発したら放射能で立ち入れなくなって2号機も3号機も五月雨的に手の施しようがなくなる。
そうなったら、はっきり言って終わりです。住めない土地が出来るんですから、放射能で汚染された農地だって浄化なんてできないんですから。私には子供がいますけど子供には、福島産は食べさせることはまずできません。政府やマスコミが安全って言っても信じていません。子供は放射能の感受性が強いことを言っていないじゃないですか。おっしゃるとおり、真冬だったら手もつけられないと思います。それに伴って、産業は壊滅的だと思います。原発はやはりリスクが大きすぎるんです。高橋知事は、安全対策をって言っていますけど、やっぱり原発に変わる代替エネルギーを模索するべきなんです。特に、北海道は自然が多いのですから自然エネルギーの道だってあると思います。
長々とすいません。原発から得られる電力と原発事故のリスクがあまりにもかけ離れているので長くなってしまいました。
[ 2011/04/17 03:33 ] [
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]
ホッキさん、コメント有難うございます
ホッキさん、こんにちは。
今回の震災をきっかけに、防災対策の見直しが進むと良いですね。安全に暮らせる北海道を造っていただきたいものです。
[ 2011/04/13 09:02 ] [
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]
青森の原発が北海道を直撃
2月から一時的に所用で東京に滞在中です。原発事故を受け、用がまとまり次第早く道内の自宅に戻りたいと思ってました。日高の海沿いなので泊から距離もあり、しばらく大丈夫と思ってましたが東通原発って・・こんなに近いんですね。しかも泊も東通も道内主要都市の風上。ウチもスッポリ危険域です。涙目です。今週の道知事選で原発対策を考えている人に入れたいです。
[ 2011/04/07 11:17 ] [
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